左手のしびれ

60代女性が左手のしびれを訴えて来院されました。小指から人差し指までしびれがあり、家事をおこなうのも困難なご様子。アクティベータ・メソッドによるカイロプラクティックに加えて、心身条件反射療法をおこなうことを提案しました。

プロトコルに則って、ベーシック治療と背中から首を重点的に検査と治療をおこないました。そして、鎖骨と肩甲骨周辺、肘、手首と細部にわたって検査と治療を終了しました。

そして、心身条件反射療法のパターンチャートから、「五感」→「聴覚」→「他人の声」と「身体感覚」→「姿勢」という項目で反応がみられました。

 僕   「どういったときにしびれ感を強く感じますか? 」

患者さま 「台所で立って洗いものをしているときです。」

 僕   「その時にどんなことを考えています。」

患者さま 「このしびれは脳からきているんじゃないかと・・・」

 僕   「どうしてそんなふうに考えるのですか?」

患者さま 「主人がそんなことを言うものですから・・・」

その時の様子をイメージしていただいて、神経反射による筋力抵抗検査をおこなうと、その結果は見事に陽性反応を示しました。

 僕   「脳に何らかのトラブルが起きると、血圧にも変化がみられます。
      しかし、今日の血圧にもそのような徴候は見当たらないようですよ。」

と伝えると、ホッと安堵されたご様子でした。

ご主人との会話の中で交わされた言葉が「緊張パターン」となって、左手のしびれとリンクしていたようでした。ご主人の言葉を身体に影響しないように切り替えると、左手のしびれは消失していました。

ご主人の何気ない言葉が脳に緊張を与えて、全身の筋肉をこわばらせ、血液も十分に循環しなかったことが、手のしびれに関連していたようでした。

ご主人が悪いというのではなく、受け取る側の感じ方(こころ)によって、身体に影響を与え得るという症例でした。