洗 心

日本列島を縦断し、各地に大きな爪痕を残した台風15号が去って行きました。皆さまの地域で被害はありませんでしたか?恵まれたことに、大阪では大きな被害もありませんでした。近隣の和歌山や奈良で被害にあわれた方々、心よりお見舞い申し上げます。

さて今日は、「ふっと心がかるくなる 禅の言葉」より、「洗心」をご紹介させていただきます。

洗 心(せんしん)    心の汚れを放っておかないで

気候風土のゆえもあって、日本人は「お風呂好き」。水が豊かであることから、昔からみぞぎの儀式として清めの水をふんだんに使うということもありました。

さて、普段も顔や手足の汚れについては神経質な程に気にするのに、心の汚れについてはどれだけ気をつけているでしょうか?

心の垢は大人になるほどたまっていきます。無頓着に放っておけばおくほど、汚れは落ちにくくなります。

汚れをためないためのひとつの方法が修行や善行であり、日々の生活の中で人を思いやり、やさしく接することなのではないでしょうか。汚れにも気つかない自分を見つめるには、坐禅を体験してみるのも有効です。

「洗心」は正月にもふさわしいことばです。正月はもともと再生や修正を意味する月であり、元日の朝、暗いうちに井戸水や湧き水をくみにいく「若水とり」の風習は再生の象徴でもあるわけです。

せめて年に一度、心もしっかり洗い直したいものです。

先週末の新大阪でのセミナーを終えた翌日、千葉のボスを囲んで、奈良に「大人の遠足」に行ってきました。興福寺、東大寺大仏殿、春日大社を抜けて二月堂、戒壇院を周って昼食にウナギ。その後、唐招提寺、薬師寺へ。

唐招提寺では修復された本堂とご本尊に手を合わせて、鑑真の墓所をお参りしてきました。お参りできたことに感謝し、帰路につこうかという時に、中国からの尼僧たちが20人ほど本堂の前で読経を始めました。

心が震えるとはこういうことをいうのでしょう。涙がこぼれ、自然と手を合わせていました。ありがとうございました。