もやし

もやしは、人類がはじめて植物の種子が発芽することを発見し、それを発芽させることに成功したことから始まったとされています。
日本では、平安時代に記されたもっとも古い薬草の本「本草和名」(ホンソウワミョウ)に「毛也之」(モヤシ)として紹介されていて、薬用として栽培されていたそうです。
江戸時代には、黒豆をもやしにして、芽が五寸ほどの長さになったところで乾燥させ、よく煎って服用すると、「痺れ」や「膝の痛み」、「筋のひきつり」などに効くとされています。
主に薬用として用いられていたもやしですが、明治末期頃から中華料理店に使われるようになって、もやしの風味が庶民の味として親しまれるようになってきたとのことです。
もやしは「種子」本来の栄養素に加えて、成長しながらさらに別な栄養素も含んでいく特殊な野菜です。発芽というメカニズムには、私たちには図り知れない、複雑で神秘的な反応が起こっているのです。
発芽によって合成される栄養素で、最も増加するもののひとつにビタミンがあります。中でもビタミンCは、もやしになると一気に増加します。また、ビタミンC同様、アスパラギン酸も発芽によって著しく増加します。
もやしの成分は80~90パーセントが水分です。カルシウムやカリウムなどのミネラル、ビタミンA、C、などのビタミン類と植物繊維が多く含まれています。
年中通して食べられ、また身近な食材ですから、上手に食べていきたいものですね。