コーヒーと脳の関係
コーヒーなしでは一日が始まらないという方は多いでしょう。
その理由を尋ねると・・・
- 気分が良くなる。
- 元気が出る。
- 目が覚める。
などの答えが返ってきます。
これが本当なのか?と研究されたのが、ブリストール大学のピーター・ロジャー教授です。
教授は、コーヒーがエネルギーを与えて、脳が活性化するのか?それとも、コーヒーのカフェインがなくなったために生じる不快感、すなわち離脱症状を軽減するのか?を調べました。
その結果、コーヒーを飲んでも、カフェインの離脱症状が軽減されるだけだということがわかりました。
つまり、コーヒーは、タバコと同様に依存性があるということです。
コーヒーには依存性があるだけでなく、能力も低下させることが、アメリカのギランド博士が発表しました。
1500人の学生で調査した結果、1日に5杯以上のコーヒーを飲むと、頭の回転が鈍くなるようです。
1杯のコーヒー(約150ml)の中には、約100mgのカフェインが含まれているので、
コーヒーを5杯以上飲むならば、500mgのカフェインを摂取することになります。
この数字はカフェインの取り過ぎの基準値です。
カフェインの取り過ぎはウツや疲労を起こす
コーヒーの飲み過ぎは、カフェインの過剰摂取となって、脳に悪影響を及ぼすだけでなく、
ウツや疲労を起こす原因にもなっています。
カフェインは脳のブレーキに相当するアデノシンのはたらきを抑制することで、
脳を興奮させてしまいます。
通常、アデノシンは、やる気を起こさせるドーパミンやアドレナリン分泌を抑えています。
しかし、カフェインがアデノシン受容体を占拠することで、
アデノシンのブレーキとしてのはたらきが低下してしまいます。
このようにして、ドーパミンやアドレナリンのレベルが上昇して、脳が興奮して目がぱっちりし、やる気が高まるというわけです。
毎日、5杯以上のコーヒーを飲み続けると、カフェインに対して耐性ができあがります。
そして脳と副腎は疲弊してしまい、ドーパミンやアドレナリンが十分につくられなくなって、
やる気や集中力がなくなり、ウツや疲労に襲われることになります。
カフェインが含まれている食品はコーヒーに限りません。
*コーラ *ココア *紅茶 *緑茶 *抹茶 *ウーロン茶 *チョコレート *栄養ドリンク *解熱鎮痛剤 *風邪薬 *眠気防止薬
以上ようなものに含まれています。
もし、あなたが脳と心を最高の状態にしておきたいならば、以上のような脳を興奮させるものの過剰摂取を避けることが大切です。
(生田 哲著「食べ物を変えれば脳が変わる」より抜粋)