隻手音声  

昨日はプライベートなことでお休みをいただいて申し訳ありません。定期検診は無事に終わり、お陰様で網膜は安定しているとのこと。また、これで本を読んだりパソコンを見たりして勉強することができます。ご理解とご協力、ありがとうございました。

さて今日は、「ふっと心がかるくなる 禅の言葉」よりを「隻手音声」をご紹介させていただきます。

隻手音声   (せきしゅおんじょう)

声なき声はどこで聴くか

「両手を打てば音は響くが、片手ではどんな音がするか?」

打てない片手の音をどう聴くかという、江戸中期の禅僧、白隠の有名な公案(公案・・・禅の修行者が悟りを開くために課題として与えられる問題をいう)です。

公案は修行者を思慮分別や日常的な思考を越えた世界に導くためのもので、いわば謎かけ。「隻手音声」はその代表的な例です。

これを頭で考えたり、耳で聴こうとしてもだめです。悟りの前段階として「疑団(ぎだん・・・頭だけで疑うのではなく全身が疑いのかたまりになる。という意味)」という状態がありますが、理屈や分別が尽き果て、ことばさえ出ない疑団の境地に入ったとき、ただひたむきに「行住坐臥」の修行に打ち込めば、忽然として無明の壁が破られ、光が見えてくる(悟りが開く)と白隠は言っています。

「隻手音声」に何か意味のある答えを出そうとしても無駄でしょう。

ただ体中を「???」で埋め尽くすだけでいいのです。

世の中にはことばでは説明できないことがたくさんあります。あなたに向かって、無言で何かを訴えつづけている人だっているかもしれません。その声なき声をは、耳ではなく、全身全霊でしか聴き取ることができないのです。

6年前、眼を3回手術して部分的に見えないところもありますが、大きなものを得ることができました。それは以前よりも触診力が数段アップしたということです。

それまではアクティベータ・メソッドでおこなうカイロプラクティック評価・分析で、「目で見よう!目で見よう!」としていましたが、見えにくくなってからは手で感じようとするようになりました。

それから、今まで以上に患者さまの声に耳を傾けるようになり、たくさんの情報を得ようとしました。失うものは大きかったですが、臨床家として、また人間として大切なことをたくさん気付かせていただきました。

にしのカイロプラクティック院では、患者さまのボディランゲージを全身全霊で受けとめて、健康回復のお手伝いをさせていただきます。