左太腿の痛みで歩けない

60代の女性が、左太腿の痛みで歩けないと訴えて来院されました。整形外科での診断は「左股関節の変形による痛み」ということで、「近い将来に手術の必要がありますね。」と、鎮痛剤が処方されました。

「どういうときに痛みが増しますか?」と尋ねると、「長時間のドライブや長くピアノを弾いたときです。」とのこと。理学的検査で股関節の動きを調べると、あきらかに動く範囲が狭く、筋肉の抵抗も強く感じられました。

何が股関節の動きに制限をかけているのかを調べると、腸腰筋というお腹側にある腰の筋肉がコントロールできなくなっていました。腸腰筋は、股関節の動きに大きく関わる筋肉のひとつです。

「この筋肉が原因で痛みが出ているようです。しっかりと調整をして楽に身体を使えるようにしていきましょう。」と、伝えると、「股関節の変形が原因で痛みが出るならば、痛む場所が移動すのはおかしいと、前々から感じていました。」とのこと。

当院ではアクティベータ・メソッドによるカイロプラクティックおこないますが、注射器のようなアクティベータ器に恐怖感があったようですが、「軽い振動を与えるための器具ですよ。」と、手のひらにパチパチするとホッと安心されました。

プロトコルに則って治療を進めていって、最後に腸腰筋の調整をおこなうと、たいそう動きが軽くなったとのこと。その場で身体の動き方が変化したことに、カイロプラクティックの効果を感じていただけたようでした。

病院では身体を構造的に診て病気の原因を捉えるために、画像診断がおこなわれます。アクティベータ・メソッドでは、身体の機能を診て「何が痛みの原因になっているのか?」を分析・治療します。

私たちの身体をコントロールしているのは「脳・神経系」です。その「神経のはたらき」を、患者さまの身体で起きる「反射」を使って評価していきます。日本の医療も身体の異常を「構造的に診る」から、「機能的に診る」にシフトしていく時期がやってきたということでしょうね。