禅の言葉 「可もなく不可もなく」

以前は大型の店舗があったのですが、当院の周辺には本屋さんがありません。インターネットで注文することも多いのですが、実際に手にとってから買うかどうかを吟味したいときもあります。

ですから、東京への研究会に参加するときには、空港の本屋さんで必ずチェックして、数冊の本を買い込みます。最近、目を惹いたのが「ふっと心がかるくなる 禅の言葉」という文庫本です。今日はその中の一節をご紹介します。

・・・無可無不可 「可もなく不可もなく」・・・

「可もなく不可もなし」とは、特によくもなく悪くもない、というときに使われますが、もともと「無可無不可」は、「あれはよし、これはダメ」と自分の判断で決めつけず、何事にもまっさらな中道(ちゅうどう)の状態で向き合うことをさしています。

苦も楽も、善も悪もなし。はじめから何も決めないということです。かたよった考えを捨てて、進むも退くも自在に。年だからとか、自分にできっこないなどという「決めつけ」から自由になると、自分の可能性はもっと広がるはずです。

今すぐ○か×かを決めなくてもいいんだと思うと、気もラクになり、ひとつやってみようかというきになりますよ。

心身条件反射療法で臨床をおこなっていると、自分自身で決めつけてしまって、身動きがとれなくなっている方のパターン分析がみられることがよくあります。

僕自身も、「こうあるべきだ。」とか「○○しなければならない」という偏った考えで、苦しむことがあります。こんなときは、一度気持ちをリセットすることが大事なんだと、改めて気づかせていただきました。