栄養を考えて食事をすることが科学的で正しい?

梅雨明けと同時に、一気に「夏模様」ですね。じりじりと焼け付くような太陽の陽射し、青い空と入道雲、蝉の大合唱と、夏の風物詩がいっぱいあふれ出しました。くれぐれも熱中症にご注意下さいませ。

さて、引き続き、「帯津 良一医師」と「幕内 秀夫管理栄養士」の共著である”なぜ「粗食」が体にいいのか”から、有益な情報をご紹介させていただきます。

今日は、三つ目の錯覚、「栄養を考えて食事をすることが科学的で正しい」についてご紹介させていただきます。

”たとえば、患者さんと接していると、まるで猫を育てているように、朝から晩まで子供に煮干しを食べさせているお母さんがいます。そういう人はまじめなお母さんなんです。

要するに、カルシウムを子供に与えようと思って、煮干しを食べさせているんです。ところが、そういうお母さんは熱心ですから、今度は、過酸化脂質のことを本で読んでしまうんです。

そうすると、「干した魚は脂が酸化しているから危険だ」と書いてあるものですから、今度はあわてて子供に「煮干しはやめなさい」と言うことになるんです。

中略、以下簡略

・ビタミンCのことを考えて、果物を主食にしている人で、「果物をとりすぎると太る」という情報を得ると果物を食べることをやめてしまう。

・ビタミンCの摂取と抗がん作用を得るためにお茶をたくさん飲んだり、ご飯にかけたりして食べるような人が、「緑茶のようにタンニンを多く含むものは、鉄とひっついて貧血になる」ということを本で読むと混乱する。

・イカやタコはコレステロールが多いということが盛んに言われてきましたが、コレステロールを下げるタウリンが多いから体に良いと聞くと、それまでに絶対に口にしなかった人が、急に食べ出す。

・ビタミンCが壊れるから、野菜は生でしか食べないという人が、ベータカロティンは脂溶性ビタミンだから、油で炒めたほうが良いとテレビでやっていると、すべて炒めて食べるようになる。

これらの例で十分だと思いますが、栄養素を考える人は、ころころ態度が変わってしまうんです。栄養素を考えていると、食生活はどうすればいいのか、本当にわからなくなりますよ。

忘れたほうがいいというのが私の結論です。そのほうが、食生活はすっきりとわかりやすくなるんです。”と、著者の幕内 秀夫(管理栄養士)さんはおっしゃっています。

食生活は健康を語る上でも、とても大切な要素の一つです。テーブルの上に並んでいるお皿のことを考えるよりも、「水」「ご飯」「野菜」、一日の食事の回数や時間などを含めて、食生活全体を考えることが食生活の基本ではないでしょうか?