股関節手術後の痛み

60代の女性患者さまが、「お尻が痛むんです。」と、訴えられました。この患者さまは、この夏に股関節の人工関節置換術の手術を受けられました。
「手術で悪いところを取り除いてきれいな関節に入れ替えたのに、昔に痛み始めたところが同じように痛むんです。おかしいですねぇ。」とおっしゃいました。
西洋医学の考え方では、私たちの身体を機械の部品の様にとらえています。部品が集まって身体の構造を作っているということです。
「身体の不調はそれら部品のトラブルである」と考えていますから、トラブルを起こした部品を新しいものに入れ替えることで不調は解消されるということです。
一方、カイロプラクティックでは、身体を「生命の表現」としてとらえています。ですから、「身体がどのように働いているのか?」ということに着目しています。
「身体の不調は全体の調和が崩れた結果である」とカイロプラクティックでは考えていますから、不調をただすことによって身体は自ずから回復するということです。
身体全体の調和をコントロールしているのは脳・神経系です。私たちの身体はこの「神経のはたらき」によって調和が保たれています。
それが何らかの原因(過去のブログを参照して下さい)によって調和が崩れたとき、身体からの警告反応として 不快な症状が現れます。
前述の患者さまですが、崩れて変形した股関節は整形外科で人工の関節に入れ替えてもらいましたが、変形を起こした原因までは入れ替えることはできません。
関節が変形するには、次のような段階を踏んでいきます。股関節に関わる筋肉が緊張もしくは弱化する→支えきれないために関節に過度なストレスが加わる→結果的に変形する
この図式からもおわかりのように、「股関節に関わる筋肉が緊張もしくは弱化する」ということは、これらの筋肉をコントロールしている神経の調和が崩れたことが原因なのです。
カイロプラクティックでは、この崩れた「神経の調和」を取り戻すことを目的にして、「いつ」「どこを」「どのように」ケアするのかを評価・分析します。