お風呂の効能

入浴の始まりは、6世紀に中国より渡来した仏教によって始まったそうです。仏教では「汚れを落とすことは、仏に仕える者の大切な仕事」と沐浴の功徳を説いたと言われ、多くの寺院で浴堂を構え施浴が行われたと言われています。
昔から単に「体を洗う」だけではなく、健康や福を得るためのものという考え方は、お風呂好きな私たち日本人に現代も受け継がれていると言えるでしょう。
(ツムラライフサイエンスHPより)
昔からお風呂となじみ深い日本人が、最近では「シャワーだけで簡単に済ませてしまう。」という方々が多くなっています。特に暑い夏には、その傾向が強くみられます。
高温多湿な日本では、大陸での生活のような「シャワー」で汚れを落とすだけでなく、湯船につかって身体を温めて、日頃のケアをおこなうことが大切です。
お風呂は身体の汚れを落とすというだけでなく、毎日の疲れた神経をリセットする役目も持ち合わせていますので、入浴で「こころとからだの手入れ」をおこないましょう。
今日はお風呂の効能についてお話しさせていただきます。お風呂にゆったりと浸かることで、身体はあたたまります。これが温熱作用です。
温熱作用の効果には、皮膚の毛細血管や皮下の血管が広がって血流が良くなります。それによって「体内の老廃物や疲労物質」が取り除かれて、コリや疲れがほぐれます。
また、内臓の働きを助け、自律神経をコントロールする作用もあります。腎臓の働きもよくなり、利尿作用がはたらきます。
そして、「入浴の仕方によってはヒートショックプロテイン(HSP)が生成され、細胞が活性化し、免疫力アップも期待できる。」と、愛知医科大学の伊藤要子先生が発表されています。
「熱というストレスによってつくられるタンパク質で、感染・傷害・疲労などで傷ついた細胞を修復し、生体をストレスから防御してくれます。
最近、HSPが、がんや病原菌を見つけだして殺傷するNK(ナチュラルキラー)細胞の活性を高めたり、抗原提示によりがん細胞を免疫細胞が攻撃しやすくする事がわかってきました。」
詳しくは、愛知医科大学 伊藤要子 医学博士著「からだを温めると増える HSPが病気を必ず治す」に記されていますので、参考になさってください。