こころの影響

60代の女性が疲れた表情で来院されました。彼女とはインターン時代からのご縁で、カイロプラクティックでのメンテナンスを20年間続けておられます。
「だいぶんお疲れの様子ですが、いかがされましたか?」と、尋ねると、「私の家のお隣さんが、リフォームをされていてねぇ、気の休まる間がないのよ。」とのことでした。
全身の筋肉の触診をすると、いつもでは考えられないような緊張が見られました。その時、彼女の口からは、工務店の方々とお隣さんへの不満が止まりませんでした。
彼女は美術館で絵を観ることが趣味なので、「最近、どこかの美術館へはいかれましたか?」と、話題を変えてみると、みるみる内に筋肉の緊張がほぐれていきました。
心身条件反射療法では、「こころ」が「神経のはたらき」を通して、「からだ」に影響を与えていると考えています。
彼女の「怒り」という感情が神経を興奮させて、全身の筋肉を硬く緊張させていたということです。この一連の状態が、「痛み」や「身体の不調」をもたらすメカニズムなのです。